近年のビジネスでは、「モノ」が使われる際のユーザー・エクスペリエンス(UX)や「モノ」を介するサービスの仕組みを包含する「コト」の概念が重視されています。さらには、「モノ」が使われることで実現される組織や社会のビジョンを描く行為も含めて、広義なデザインの概念がビジネスに取り込まれる時代となっています。 また、不確実な時代環境において、まだ顕在化していない需要を見出し、それを事業機会として捉え、そこから新たな価値を創造するアントレプレナーシップは、ビジネス・パーソンが持つべき素養として重要性を増しています。 以上、近年のビジネスにおいて、デザインやアントレプレナーシップとの相互作用がより緊密化する傾向を捉え、デザイン・ビジネス・アントレプレナーシップが融合した教育を三部局連携(QBS、芸術工学府、QREC)の枠組みで提供する一環として、QBSにデザイン✕ビジネス✕アントレプレナーシップ専修トラック(Design/Business/Entrepreneurship Crossing Track, 略称:DBEX)を設置します。本DBEXで育成する人材像は、以下のとおりです。
図 三部局連携のイメージ
「MBA(経営修士)が包含する経営マネジメント能力を有し、デザインの力を駆使しながら事業機会を発見し、新たな価値創造に挑戦するアントレプレナーシップ溢れる人材」
DBEXはQBS内に設置し、収容人数は最大12人程度とします。入学時ガイダンスにおいて、収容人数、履修対象科目群、修了証授与の要件等を学生に説明し、希望者がDBEX科目群から重点的に履修できる環境を、芸術工学府およびQRECと緊密な連携のもと提供することで、上記人材を育成します。また、担任教員による履修指導の過程で、DBEXに関心を持つ学生に対して、必要に応じDBEX担当教員に履修相談を行うよう促します。最終的な収容人数は、1年次後期のプロジェクト演習(ゼミ)配属時に確定します。
DBEXが履修を推奨する科目群は下記一覧表のとおりです。DBEXベーシックス(QBS提供科目)、DBEX演習科目、DBEX関連科目(芸術工学府やQREC提供科目で、最大8単位までQBS修了要件単位数に組込み可)から構成されます。
表 DBEX科目一覧
科目群 | 科目名 | 単位数 | 備考 |
---|---|---|---|
DBEXベーシックス | ベンチャー企業 | 2 | これらの科目から8単位以上必要 |
起業機会探索 | 2 | ||
イノベーション・マネジメント | 2 | ||
知的財産管理 | 2 | ||
企業戦略 | 2 | ||
知識マネジメント | 2 | ||
コーポレート・アントレプレナーシップ特論 | 2 | ||
ビジネスにおける競争優位性特論 | 2 | ||
プロジェクト・マネジメント | 2 | ||
先端技術分析 | 2 | ||
組織行動 | 2 | ||
リーダーシップ論 | 2 | ||
DBEX演習科目 *QREC科目 |
産学連携マネジメント | 2 | 1科目選択必修 |
リーン・スタートアップ演習* | 4 | ||
プロジェクト演習 | 4 | 必修 | |
DBEX関連科目 *QREC科目 **芸術工学府科目 |
ニュービジネス・クリエーション* | 1 | これらの科目から6単位以上必要 |
グローバルPBLプログラム* | 2 | ||
テクノロジー・マーケティング・ゲーム* | 1 | ||
アントレプレナーシップ・組織論応用* | 2 | ||
新興国アントレプレナーシップ* | 2 | ||
ソーシャル・アントレプレナーシップ* | 2 | ||
Entrepreneurship Bootcamp(特論)* | 2 | ||
ベンチャー・ファイナンス(特論)* | 2 | ||
Advanced Lecture in Global Seminar (English)* | 1 | ||
アントレプレナーシップ・マーケティング応用(特論)* | 1 | ||
Advanced Lecture in Research Skills Development (English)* | 2 | ||
ストラテジック・サービス・デザイン** | 1 | ||
デザイン産業事情1** | 1 | ||
デザイン産業事情2** | 1 | ||
エキスペリエンス(UX)デザイン** | 1 | ||
アート・シンキング** | 1 | ||
ソサエタル・デザイン** | 1 |
QBSの修了要件を満たしたうえで、DBEX科目群から規定の単位を修得した者に対して、MBAの学位に加えて『DBEX修了証』を授与します。
前期のプロジェクト演習枠を活用し、毎週土曜日の午前中(9:00~12:00)に芸工+QRECとの合同ゼミを行います。合同ゼミには、芸術工学府ストラテジック・デザイン・コースの院生や企業からの参加者も受け入れ、3〜4名からなるチームを組成し、デザインやアントレプレナーシップを融合させた事業構想の手法を実践的に学びます。