僕はよく、「目の前のランドスケープ(景色)が変わる」って言うんですけど、今まで漫然と目の前にあった景色が、学んだり苦労することで突然違う角度から違う景色に見えるようになります。2年間の学びのうちに何度かそういうことを感じられる瞬間ってあるんじゃないかなと思います。
ええ、確かに見える世界が変わりました。それが会社を辞めるきっかけになったんですけど(笑)。
私みたいに同じ会社にずっと在籍していて、狭い世界でやってきた人間からすると視野が広がったのは間違いないです。また、自分自身や所属する会社に対する見方も変わりました。見落としていた強みに気づかせてもらいましたし、改善を期待されている弱みも同時に知ることが出来たように思います。
特に留学生の方と接することで「ああ、そういう考え方をするんだ」って思うことが多かったです。新鮮な経験でした。
QBS12期生。システムエンジニアで事業拡大の必要性を感じQBSに入学。修了後にFFGベンチャパートナーズに転職。現在は、START事業プロモーターを務めながら、QBS修了生を中心としたコミュニティ組織(一般社団法人QBSアラムナイネットワーク:QAN)の理事も兼ねる。
私の在学時は中国とかタイの留学生がいたんですが、実際に考え方を聞いてみると自分がその国に抱いていたイメージと全然違ったりするんですよね。
QBSでは、毎年後期にアジアのビジネススクールからの交換留学生を13~15人くらい受け入れています。彼らは、英語の科目を履修するんですが、その科目を日本人の学生も履修して国際的な議論の場になったりします。
例えば中国からの留学生の方々とは、Wechatのコミュニティで活発にディスカッションや情報交換しています。「こんな人材がほしい」とか「どこそこの企業でこういう事業をやっている人を知らないか」とか。
先輩達が構築してくださったQBS修了生のネットワークがベースにあって、SNSなどのツールも発展してきて、国やエリアが離れていても、濃密なコミュニケーションを取ることが出来ることはビジネスを進める上で重要なファンクションだと思います。
福岡市は主要なアジアの航空会社が直行便を持っていますし、九州大学もアジアからの留学生の比率が非常に高いということがあります。QBSを設立した2003年頃、地元企業のアジア進出はまだまだ様子見という感じが強かったですが、近年はアジアでビジネスをやって当たり前になっています。
一方で人材が足りないと常に言われていまして、アジアで活躍できるビジネスパーソンへの需要がものすごく高まっています。
元々、QBSはアジアとMOT(技術経営)を2つの柱にしていました。アジアというのはフィールドでMOTは手段です。修了生はQBSでフィールドや手段を学んだ後にどういう役割を担うべきなのか。それを我々の中で再度議論をし、育成すべき人材像を2015年に改定しました。
アジアにしてもMOTにしても新しい価値を生み出すということがとても重要であって、我々が育成すべきなのは、変革をリードしてアジアで新たな事業価値を生み出すことができる人材だと考えています。
数年前に修了生に対して修了後の活動についてアンケートを行って、その中で「海外事業に携わったことがありますか」という質問をしたのですが、約3分の1の方がQBS修了後に何らかの形で海外事業に携わっていました。今後はさらに高まっていくと思います。